先日、70代の女性がアオブダイの煮付けを食べたことで
食中毒で命を落とすという痛ましい事故が発生しました。

原因はアオブダイに含まれるパリドキシンです。
とはいえ、沖縄ではアオブダイはイラプチャーと呼ばれ
高級魚として食用されていたはず。

一体どういうことなんでしょうか?



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パリドキシンって何?

パリドキシンは海産毒素の1種。
つまり海の生物が持っている毒のことですね。

海の生き物の毒といえば、フグ毒がイメージできますよね。
ちなみにフグ毒はテトロドトキシンです。

実はパリドキシンはこのテトロドトキシンよりもさらに猛毒なんです。

一般に毒性を示す基準としてはマウスに対する半数致死量が使われるのですが、
これがフグ毒が8μg/kgに対して、パリドキシンは0.15μg/kg。

一見すると数値が大きいほうが毒性が高いと勘違いしがちですが、
「少ない量で毒の効果が発生する」
と考えると、数が小さいほうが毒性が高いということになります。

つまり、この数値を見ればフグ毒よりもはるかに危険ということがわかるかと思います。

ちなみにこのパリドキシン、厚生労働省の調査では今までに39件の食中毒の事故が発生していて、
うち7人が命を落としているとのことでした。

イラプチャーって高級魚というけどアオブダイなんでしょ?食べて大丈夫なの?

確かにアオブダイのことを沖縄の方言でイラプチャーといいます。
しかし、食用されているイラプチャーですが、
実はアオブダイではなく別の魚なんです。

具体的にはナンヨウブダイとヒブダイを使っています。
ただし、これらの魚はブダイ科アオブダイ属。
ややこしいです。

しかも、パリドキシンは生まれつきアオブダイが持っているわけではないんです。
実はアオブダイが食べる生き物にパリドキシンが含まれていて、
それがアオブダイの体内に蓄積されているんです。

パリドキシンがアオブダイの内臓に特に多く含まれるのはそういった理由があるわけですね。

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